<文献新着情報><他言語版が出てほしい本>
韓国の原爆被害者を救援する市民の会広島支部編集 『히로시마로 ヒロシマへ… 韓国の被爆者の手記 [改訂版]』広島, 韓国の原爆被害者を救援する市民の会, 2019. 1987年初版出版の改訂版が今夏に出ました。表紙絵と挿絵の作者は、原爆ドームを描き続け、今年4月に87歳で亡くなった原広司さんです。この本は、広島で被爆し、戦後韓国に帰国した3人の在韓被爆者の手記を収録しています。在韓被爆者の体験を小学生も理解できるように、手記篇の活字を大きくし、分かりにくい言葉には脚注が付いています。
手記の筆者3名は、ともに原爆を生き延びたものの、帰国後原爆症に苦しみ続けました。崔 英順(チェ ヨンスン)さんは、1986年、李 順玉(イ スノク)さんと厳 粉連(オン ブニョン)さんは、2012年に亡くなりました。
今回の改訂版には、韓国・朝鮮の地図、1945年8月原爆投下時の広島市地図が加わりました。また、巻末には、「韓国の原爆被害者を救援する市民の会」会長、市場淳子氏の解説と関連年表が付いています。韓国の若者にも在韓被爆者の歴史を知ってほしいと韓国語訳を出版する予定。英語をはじめ他言語版も出てほしい本です。