新規に登録した本の紹介-金澤悦子『あの日から』
電子書籍、私家版。カテゴリ:体験記・児童文学https://www.linguahiroshima.com/jp/detail.php?id=11049
この本は、長崎の被爆者金澤悦子の体験記です。当時16歳の悦子は、学徒報国隊の一員として飛行機の部品製造に携わっていました。13歳の妹と9歳の弟は被爆後に死亡。悦子は、鹿児島の祖母の家に疎開していた妹弟を長崎の自宅へ自分が連れ帰ったために、原爆の犠牲になったことを長年悔やんだと言います。
『あの日から』の著者、金澤悦子の戦後生活については、スーザン・サザードが自著の『ナガサキ―核戦争後の人生』で詳述しています。この本は、米国が長崎に原爆を投下した1945年8月9日から始まります。筆者が十数年かけて収集した資料と、被爆者への度重なる聞き取りを基に、当時10代であった被爆者5人の被爆体験とその後を辿ります。被爆者の戦後史を縦糸に、日米の戦後史を横糸にして、筆者は綿密に論を進めます。悦子は、本書で紹介されている他4名の被爆者と共に、自らの体験を次世代に伝える語り部として活動を続けました。
金澤悦子『あの日から』は、日本語による原著の他、英語版とスペイン語版の電子図書があり、NET-GTAS「ヒバクシャ証言作品集」のサイトで読むことができます。挿絵は、悦子の長男、永野博明氏によるものです。
1.原著 日本語 児童文学・体験記
2.英語版
Since That Day
3.スペイン語版
Desde Aquel Día